受講者の声 音読レシテーションスピーチ指導・英語コミュニケーション教育・近江誠

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Opinions

中村義実 様 新潟県立看護大学(英語担当)

  • 「コミュニケーション研究の中の英語技術教育」と題する先生の講演をお聞きし、私は体中に電流が走るのを覚えた。
  • 新潟県立看護大学
    英語担当

近江誠先生に初めてお会いしたのは1999年の日本コミュニケーション学会(浜松医科大学)の席上だった。「コミュニケーション研究の中の英語技術教育」と題する先生の講演をお聞きし、私は体中に電流が走るのを覚えた。
先生の英語の堪能さに圧倒されたばかりではない。先生が語る英語教育のビジョン、切れ味鋭い言葉の端々に私の心と体がともに反応した。

“What are you trying to do by saying what you say?”
“Input precedes output.”
“Read between the lines. Read from every angle.”
“Read more, speak less.”

「英会話」全盛という世の風潮に隔靴掻痒の感を抱いていた私にとって、近江先生のご講演は、一服の清涼剤になるばかりか、強烈な活力剤として作用した。
その後、近江先生の著書の熟読を重ね、コミュニケーション理論を自分の授業に応用しようと努めた。とりわけ、「英文のかたまりを生きた語りとして味わい読む」ことを主眼とする「批判的味読」に着目し、勤務大学の「時事英語」の授業に役立てた。実践の記録を記した論文「内発性に根ざしたコミュニケーション教育-「時事英語」の実践を踏まえて」は『京都大学高等教育研究(第12号)』(2006)に収録されている。

実は、上記の取り組みは近江先生が主唱する「オーラル・インタープリテーション」メソッドそのものに真っ向から取り組んだわけではない。いわば、「黙読」を通しての「批判的味読」活動に近かった。それでも、「言葉の意味は、文を発する人の意図や目的に即してその都度意味が与えられていく」という言語パロール観に立脚することで、授業に生命が吹き込まれ、受講者たちが鋭く反応するのを観察できた
今、私は看護大学で英語を教えている。看護師に必要とされる英語力とはどのようなものかをよく考える。最終的には、目の前の患者をどう救うか、癒すかが問われるだろう。
看護知識、英語の正確さはもとより、相手への思い、言葉の抑揚、リズム、表現や表情の豊かさが重要な役割を果たすだろう。そう考えると、近江先生の「オーラル・インタープリテーション」教育の理念がますますの重みを増して私に迫ってくる。
今年の9月、近江先生の門をたたき、「語り」のご指導をいただいた。題材はアメリカを代表するラジオ・コメンテーター、故ポール・ハーベイ氏のThe Rest of the Storyである。私の思い入れの強い作品をこちらから選ばせてもらった。ご指導のレベルの高さに悪戦苦闘するばかりだったが、いただいた渾身のアドバイス、メッセージ一つ一つに感謝の念は尽きない。自分なりに努力を重ね、再挑戦させていただくことを今は目指している。私の心にとりわけ深く刻まれた先生のお言葉を一つ、ここに紹介させていただく。

「目に見えるビジュアルなパンクチュエーション・マークのところで(文を)切るのではない。ここが大切だ、と語り手が思っているのだったら、そこのところでポーズが生まれるのだ。」